2009年02月

審判5人制

FIFAの仕事の一つにルールの改定や運営方式の改善があります。
よく話として出てくるのはオフサイド基準やビデオ判定の導入、高地開催の線引きなどですが、今回は審判5人制とハーフタイムの時間延長が大きな議題でした。

審判5人制は現在の主審+線審2人の3人に加えて、両ゴール裏に審判2人を新たに置くというもので、ダイブや密集地帯でのファールなど主審や線審だけでは判断しにくいジャッジを判定させるというもの。既に19歳以下の大会で試験導入し、それなりに効果がありとして採用大会を拡大して引き続き試験してみるとの事です。特にダイブについてはバロンドーラーの中にも目に余る選手がいるので、きちんと見てくれるなら審判5人制は大歓迎です。

もう一つはハーフタイムを現行の15分から20分に延長すると言うもの。最大のメリットはTV中継のCM時間を増やせる事です。これについては観客に退屈を強いる事、とりわけ寒い地域では観客の理解が得られないとして、今回は見送られました。まあ、反対意見の方が正論に聞こえるから仕方ないか。


この他にも細かく議論はしているようですが、今はこんな所です。オレンジカードの話は面白いけどどう詰めていくんだろ。

ジュリアン・フォベールの受難

レアルマドリーに冬の移籍で加入したジュリアン・フォベールが苦戦しています。ここまで試合出場は1試合・30分のみ。L'EQUIPE紙では出場機会を与えられない事、それに対する説明もない事に不満を述べていました。

それに対し、即座にファンデ・ラモス監督が反応。フォベールは10日間程度の怪我で試合に出せない状況だと説明しました。が、それまで広報、医療スタッフ共にフォベールの負傷に対する発表はなく、少なくともフランスメディアはこの言葉に懐疑的な目を向けています。

ボルドー時代のフォベールについては、足が速くてクロスが正確だなという印象の選手で、あまり発言でマスコミを賑わせた事はない気がします。むしろ彼がウェストハムに移籍した時の「なんで格下クラブに移籍するんだ。プレミアに行けばどこでもキャリアアップだとでも思っているのか」と言うドメネクの発言の方がよほど記憶に残っています。

そのフォベールが不満を言っているのだから、何かクラブとの間に行き違いはあるのでしょう。フォベールはレアル入団会見で「リヨンから誘われたのは事実。ベルナール・ラコンブは熱心に誘ってくれたが、その後ピュエル監督と電話で話した時、彼からあまり乗り気でない雰囲気を感じた。だからリヨンには行かなかったんだ」と語っており、出場機会の保証がリヨン行きをやめた理由だったと明かしています。逆に言えばレアルではある程度の出番を期待出来ると見込んだわけで、今の召集外という現状は明らかに「当てが外れた」というべきものでしょう。

買い取りオプション付のローン加入であるフォベール。このままでは行使される事なく返却される事もありえそう。そうなった時、フォベールはどうするのでしょうか。

とあるラジオの禁書目録・その2

以前も紹介したwebラジオ番組ですが、23回目を迎えて更にカオスになってます。

挨拶は完全にパンダパンダが定着。酒についても井口さんはないとテンションが上がらないとまで言い出す始末。もう宴会ラジオです。

でも面白いから全面的に許す

メンサー「僕はリヨンに残る」

ガーナ代表DFジョン・メンサー。十代でイタリアに渡り、その後フランス・レンヌへ。そこでの活躍が認められ今季からリヨンに加入しました。ビッグクラブへのキャリアアップを果たした彼はしかし、いきなり屈辱を味わいます。9月に彼は自分の車に乗ろうとしたところで職務質問され、不審者として勾留。翌日釈放されると共に警察からの謝罪を受けるも、今度は2月に相手サポーターから人種差別の野次と共に「車泥棒」の野次も受け、集中を切らして危険なプレーを連発し退場。客観的に見て、彼はリヨンに来てからまだいい事等ないように見えます。精神的ケアのため一度ガーナに帰国もした彼がリヨンを去るのではと心配する声も多く、ファンの中にも本人の口から残留の言葉を聞きたいと思う人は多くいました。
今回、地元紙Lyon capitalのメンサーへのインタビューでこの一連の出来事についてと、そしてリヨンへの残留宣言がやっと出ました。

9月の誤認逮捕については「僕はただ自分の車に乗ろうとしただけなのに、警察は車に積まれた書類も見ずに僕を拘束したんだ。頭を整理するために、暫くサッカーをすることも出来なかった」とショックの大きさを語っています。

ルアーブル戦での退場とその後のガーナ帰国については
「僕はサッカーをしているだけなのに、なぜそんな侮辱を受けなければならないのか理解できなかった。(退場した後は)僕はこのままで幸せを感じられるだろうかと悩んだんだ。そこで僕の代理人とクラブが話をしてくれて、僕に一度里帰りを薦めてくれたんだ」
「これは全ての人が団結して向き合わなければならない問題なんだ。肌は何色もあるけど血はみんな同じなのだから(訳注;アフリカ系では政治家やミュージシャンも含めてよく使われる表現)。でも、次に同じ事があっても僕は自分をコントロールする自信がある。あの時は初めての経験でショックを受けたけどね。今後のよい教訓だと思っているよ」
そして今後もリヨンでプレーするか、と言う問いについては
「監督もチームメイトも僕を必要としてくれている。リヨンは素晴しいチームだ。ここなら僕は更に成長できると感じられるよ」
と、来季以降もOLでプレーする事を約束してくれました。右ラテラルとしてアンリを一人で無力化させた彼のバルサ戦での貢献は大きく、あれほど不安視されていた右ラテラルの人材不足を一夜にして過去のものにしてくれたメンサーの残留宣言は、リヨンにとって、特に冬の補強を不要と言い切ったピュエルにとって大きな力になるでしょう。

リーグ1・26節の見所

今週はUEFA杯、CLの関係で日曜日に4強の試合が集中する変則スケジュール。土曜日から1試合、日曜日から4試合紹介します。

オセール-TFC(21時?)
後半戦絶好調、トップ5で唯一ミッドウィークを休養するTFCと、波に乗り切れず10位に停滞するオセールの対戦。アウェーでジニャックが爆発できるか。

ボルドー-ロリアン
カーン-マルセイユ
PSG-ナンシー(以上全て日曜17時?)
グルキュフは休養させたものの他は総力戦の末に敗北したボルドー、120分フルメンバーで戦い抜いたマルセイユ、余裕の戦いを見せたPSG。それぞれの疲労回復が勝負の分かれ目。8節ではいずれも失点している相手であり、特にマルセイユの相手カーンのサヴィダンは危険。

リヨン-レンヌ(日曜21時?)
8節でパジスのハットトリックに蹂躙されたリヨン。CLでバルサと戦う力がまだ充実している所を見せるべく今回はホームで快勝と行きたい。何人かの円……入れ替えはあるか。

フレッジ契約解除

リヨンFWフレッジの契約解除の手続きが正式に完了しました。
最初の2年間はとんでもないストライカーが加入したと喜んだものでしたが、4年間を通してみると怪我と情緒不安定に泣かされた4年間でした。
天性の嗅覚と異能とも言えるキックの精度、ブラジル人には珍しい屈強な体躯で距離、角度に関係なくシュートを狙う典型的CF。もっと上に上り詰める事の出来る逸材でした。離婚やあまりにも戦略眼に欠ける代理人の兄の存在が才能を腐らせました。

新天地での巻き返しを期待します。

UEFA杯フランス勢まとめ

何とか気を取り直して。
UEFA杯1/16ファイナル2ndlegが一斉に行われ、フランスリーグ勢も4チームが戦いに赴きました。

トゥエンテ-マルセイユ0-1、2戦合計1-1、PK戦6-7
ホームを落とし後のないマルセイユ、ベナルファ、サナを先発起用し必勝の布陣で臨む。24分ベナルファが25mのFKを直接決めて先制。角度も軌道もジュニーニョを髣髴とさせるエクセレントなゴール。
その後トゥエンテの猛攻をマンダンダの奮戦で凌ぎ、ニアン、サマサら攻撃陣が鋭く速攻を仕掛ける試合は延長でも決着が着かず、PK戦へ。8人目までもつれたPK戦はマルセイユが粘り勝ち。劇的な逆転勝ち抜けを決めました。
次はファンバステン率いるアヤックスと仏蘭名門対決。マルセイユは今年オランダキラーと化しているのでぜひここも勝ちぬけて欲しいです。

ヴォルフスブルグ-PSG1-3、2戦合計1-5
ホームを2-0で勝利し失点さえしなければいいPSGはGKランドロー他守備陣をベストメンバーに。逆に1stの立役者オアロウをベンチに温存。と言うよりオアロウはほとんどUEFAでは先発してないんですが。
それでも得点できるのが勢いのあるチーム。ロテンがPK獲得にサイドに流れながら対角線ミドルの2点目と大活躍。リュインドゥラもPKの先制点と駄目押しの3点目とUEFA杯では主役の活躍。ヴォルフスブルグは守備が崩壊、長谷部のDFを躱しながらの1点が唯一の得点。この2戦だけで言うなら、格の差を見せ付けられました。
PSGはポルトガルのブラガと対戦。ルグエンのターンオーバーも当たりUEFAも狙えそうな予感が漂ってきました。

ガラタサライ-ボルドー4-3、2戦合計4-3
ホームではスコアレスドロー。イスタンブールへは疲労の見えるグルキュフをフランスに残し、エース抜きの布陣で戦いました。
開始早々DFのミスをベリオンが見逃さずアウェーゴールを挙げこれは行けるかと思わせましたが、高い位置でキープできるグルキュフの不在から引いて防戦するブランの嫌う展開となり、前半終了間際に続けて2失点。2点目のキューウェルのミドルは決めた方を誉めるべきですが、1点目はエンリケの足元に来たボールをまさかの空振りでクリアーできず失点なので悔いが残ります。
後半54分にカヴェナギとジュシエを一度に投入し打開を図りますが、逆に62分に絶望的な3失点目。諦めかけたそこからドラマが。72分カヴェナギのスルーパスにギリギリで飛び出したシャマクがゴール、その2分後に今度はカヴェナギがゴールを決めて同点。アウェーゴールで上回る事に。
これで守りきればボルドーも勝ち抜けだったのですが、守りの意識が強すぎた。88分、コーナーキックのこぼれ球がサブリの前に。グラウンダーのシュートは密集地帯の誰かの足に当って軌道が変わり、ゴール左隅へ。万事休す。
ボルドーが勝ちきれない時のパターンで負けました。

ASSE-オリンピアコス2-1、2戦合計5-2
唯一のホームゲーム。アウェーで3点獲って勝っているため、余程の事がない限り負けようがない試合。オリンピアコスの荒いプレーもリーグ1では普通。ペースは乱されない。前半終了間際にパイェが右足でミドルを決めオリンピアコスを絶望に落とす1点。後半はマシャドの25mのロングパスで抜け出したイラーンがキーパーとの1対1を冷静に決めて勝負あり。
しかし問題点が一つ。ペランは本来臆病なまでに守備的な監督でリードした終盤は特にサイドの攻撃的な選手をより守備的な選手に交代させる癖があります。しかしその事で逆に相手のラテラルへの圧力が下がって攻撃参加しやすくなり、しかも交代選手の守備がそれほどのレベルでないため、結果的に押し込まれて失点するパターンが続いており、今回もやってしまっています。リーグ戦で内容に結果が伴わないのもこれが影響していると思うのですが……。
次はミランをアウェーゴールで出し抜いたブレーメンと緑対決。この強敵を倒せばかなり上が見えてきますね。

後でまた分析しますが、今回2ndホームが結構敗退しているのはCLでのリヨンに勇気を与えてくれそうです。イタリア、スペインがかなり悪い成績なので、密かにUEFAポイントも稼ぎ時だったりします。



ナントがここに戻ってくるのは何時になるかな…

記事が……

UEFA杯4試合分の記事がざっくりなくなった……モチベーションが戻ったら書きます…………

胸スポンサーが変わります

と言っても来季の話ですが。

リヨンの胸スポンサーである高級ビジネスホテル(微妙な表現だ…)NOVOTELグループが今シーズン限りで契約を終了すると発表しました。

06/07シーズンから3年契約を結んでいたNOVOTEL。グループでは「契約期間の満了に伴う通常の手続き」と説明しますが、契約には2年間の延長オプションも付いており、これを行使しないままの契約終了となります。

これも不況の影響なのか。スポンサー料がどれほどなのかちょっと調べられなかったのですが、いずれにしてもリヨンは来季に向け新しい胸スポンサーを探す事になります。

ちなみにフランスでは煙草とブックメーカーはスポンサーになれないはずなのでbwinなど他国では見慣れてきたスポンサーもとれない。イメージあまり良くないからいいけど。

ジェノア、マテューにオファー

好調、トゥールーズのスター選手で、左ラテラル、ウィングのジェレミー・マテューに、ジェノアが正式なオファーを送ったそうです。

マテューには他にフィオレンティナ、ドルトムントやハンブルグといったブンデスリーガの数クラブ、国内ではボルドーも獲得を検討していると言われ、特にボルドーはブランが昨年から興味を隠そうともせず公言しています。今年の6月で契約の切れるボスマンプレーヤーであり、移籍金がかからないこともこのA代表経験のない25歳に人気が集まる一因となっています。

身長189cm、体重83kg。左利きでロングフィード、アーリークロスのスピードと精度に定評があり、チームでは長距離でのプレースキッカーも務める。左サイドのスペシャリストであると同時にインナーレフトでもプレー可能でスタミナも十分。言葉で書くとなんとなくグロッソを連想しそうな選手ですが、守備に関してはこちらが上です。
課題としてはいわゆる大舞台の経験が皆無であると言う事。年代別代表(フランスで言うエスポワール)は経験があるはずですが、A代表経験がなく、クラブはほとんど欧州の舞台と無縁、昨年のCL予備予選では怪我で欠場していました。クラブでの人気は絶大で、怪我明けに彼が途中から投入されると決して入りの多くないスタンドがそれでも大きな歓声に包まれます。

本人は「僕は国外挑戦をしたい気持ちがある。ジェノアからは具体的なプロジェクトも聞いて惹かれているのは事実だ。でも、僕はブラン監督から誘いを受ける事も名誉に思っているんだ。サッカーには明日起こることを今日予言する事は誰も出来ないよ」と言っています。夏の注目選手になるかもしれません。
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